松本 彩花

「都市計画、環境といった分野を超えて地域のためになるソリューションを提供する」
~自分の思いを大事に、理想と現実の接点を模索する~

研究員とは
課題の解決策を提案し、クライアントをサポートする専門家である。
サスティナビリティ・デザイン事業本部
まちづくり・社会システムチーム
松本 彩花
2014年入社
大学院工学研究科建設工学専攻(修士)
入社後の主要業務

1年目
エネルギー関連アクションプラン策定業務委託(A市)
2年目
地方公共団体における地球温暖化対策の推進に関する法律に係る施行状況調査委託業務(国)
3年目
地域文化的景観に関する景観地区策定等業務支援委託(B区)
4年目
景観計画策定業務委託(C市)
5年目
「地区ミュージアムパーク創造事業」基本構想策定業務(D市ミュージアムパーク実行委員会)
6年目
若葉台団地における地域・企業・行政による協働事業に関する調査業務(横浜市)
7年目
オンデマンドバス実証実験検討支援業務(一般財団法人若葉台まちづくりセンター)

当社への志望理由は?

元々大学で専攻していたのは建築で、研究室は都市計画系でした。都市計画は土木系の職種になるため、建築専攻だと採用しない企業が多いのですが、どうしても都市計画がやりたくて都市計画系に進むことにしました。行政か民間企業かで迷いましたが、行政だとひとつの地域にしか関われないですが、民間企業だといろんな地域を見られるし、それを地元に持ち帰れるかなと思い選びました。その中でなぜ当社だったのかというと、富山市のコンパクトシティに関わっているということを知り、授業でも習っていて、トピック的にも興味深いことをしているこということが分かったからです。

仕事内容を教えて下さい

サスティナビリティ・デザイン事業本部まちづくり・社会システムチーム所属です。主にまちづくりメイン。都市計画だと、中心市街地活性化、景観計画策定、総合計画など色々幅広にやっています。最近は事業、実証実験として新しい技術に取り組み、社会実装をしようとしています。昨年度末から実証実験が始まったのがこの横浜市の若葉台団地の案件です。経緯としては、横浜市でヨコハマSDGsデザインセンターという、SDGsに関する取り組みを行う中間支援組織を設立することになり、それに当社が関わり、地域課題の解決法を考えたり、地域と協働しても取り組んでいるんですね。横浜市内には大規模団地が多数あり、同時期に一斉入居したため現在高齢化が進んでいて、若葉台団地は高齢化率が50%まで進んでいます。数年後には相続物件が多数出てきて、空き家が増加するため若者の流入を促進することが課題になっています。そのなかで、若い子育て世代に入居してもらうために地域ブランドを向上させるには、どうすれば良いかを考えました。生活の質を上げ、まちの資産価値を上げようと考え、移動手段に着目しオンデマンドバスの社会実装に向けた取り組みがはじまりました。移動手段が自家用車から公共交通に転換すると、二酸化炭素排出量も削減されます。オンデマンドバスは、効率的なルートを検索するシステムを利用し、団地内の移動手段として実証実験を行いました。団地では、敷地が広すぎて高齢者には移動が大変ということと、また高低差がかなりあり、歩車分離というかつて主流だった都市計画の手法を利用した構造が、高齢化が進んだ現在では弊害になってしまっており、この実証は全国的に非常に注目を集めています。

特に思い出に残っている業務を教えてください

入社3年目に担当した業務です。学生時代の研究テーマであった重要文化的景観の選定申出に向けた、景観地区の策定支援業務にかかわりました。業務では、地元協議会での勉強会開催の支援や、対象区域の地権者に対して一軒ずつ回って説明、調整したりもしました。担当の方がきっちりしたタイプで自分がおおざっぱというのもあって大変なこともありましたが、元々の自分の研究テーマに近かっただけあって思い入れは深いです。
苦労したのは、入社2年目に行った全自治体へアンケートを送付し、ほぼ100%の回収率を目指さなくてはならないという業務です。
回答者に調査の趣旨について理解を得るのが大変で、淡々とこなしつつもメンタルも鍛えられたと思います…。
今振り返れば、若いうちに苦労した方が良いと思います。

仕事上の失敗を教えてください

2年目まではまちづくり・社会チームではなく、全く畑の異なる環境系のチームに配属だったので、当初は用語すら分かりませんでした。二酸化炭素排出量の計算を間違えてしまい、怒られたこともあります。数字のインパクトは大きく、0.1違うだけでも違うものは違い、影響がだいぶ変わってくるので神経をすり減らしました。その経験から、現在も特に数字を出す時は再確認をするようにしています。算出するシートにチェック機能をかけるなど、工夫もしています。もちろん数字だけでなく、文章の誤字脱字がないかも必ずチェックしてからクライアントに出すようにしています。

将来的な目標を教えてください

入社後はいろんな意味で、環境と都市計画の両方に携わることができました。最近は複合的な課題が多く、一つの分野だけでは解決できない話が多くなっているため、今までの業務経験も活かして都市計画にこだわらず地域課題を解決できるような業務にチャレンジしていきたいと思っています。
現在は地元に入って各事業者と直接話すことが多いですが、課題を見つけて提案できるようになれると良いと考えています。何でも屋と言えばそうなのですが、地域のためになることをやっていきたいというのは変わらないです。

入社前と入社後のギャップはありましたか?

入社前は、ホームーページを見た印象しかなかったです。とても高尚なことをしていて、皆さん厳しく真面目な人ばかりだと思っていましたが、入ってみたらそんなことはなく、話しやすい人も多かったです。また、技術力を持っている人がいるので学ぶところが多いと思っています。

仕事と大学の研究で、まちづくり業務に対するイメージのギャップはありましたか?

学生時代に景観ガイドライン作りをしたのでなんとなくはイメージできていましたが、学生の頃みたいに時間がたっぷりあるわけではなく、ひとつの業務にかけられる時間が限られます。例えば、現地調査で建物すべての確認をするのではなく、まずGoogle Earthでエリアを確認し、ポイントとなるところだけを実際見に行く、というように効率性を重視するようになりました。大学の研究は自分の興味関心にこだわってできましたが、仕事はクライアントありきなので、相手が納得してくれなければ、自分の思い通り、提案通りにはいかなくなったというのはあります。理想論はあるけれども、臨機応変に現実的な落としどころにもっていかないと物事は進まないということも学びました。その点はギャップがあると思います。

仕事とプライベートは両立できていますか?

そうですね、性格的にもきっちり分けたいと考えるタイプです。業務上週末に住民への説明会を実施しなければならない時もありますが、仕事はしっかり調整してうまく時間を管理するようにしています。管理すれば、自分の時間は持てます。メリハリをつけて、休む時はきちんと休むようにしています。

コロナ禍で働き方や業務内容に変化はありましたか?

働き方はこれまでは出社して働いていましたが、テレワークが取り入れられて移動時間がなくなりました。はじめと終わりが自分で決めやすくなったので、プライベートも考えて早めに切り上げるということができるようになりました。会社にいるとつい長く仕事をしてしまっていましたが、家だとそういう訳にもいかないのでメリハリがつきました。

まちづくりの業務は基本的に対住民で、説明会、勉強会など対面で話すことが中心だったので、その対応変更を求められるようになりました。高齢者の方も多く全てウェブでやるのは難しいので、併用するなどどういった方法がベストか現在も模索しています。
若葉台団地の場合、新型コロナウイルスの状況が3月頃から悪化してきた中で第3回目の実証実験を1~3月で実施したものの、コロナの影響でバスに乗らなくなった人もいて、以前の結果と効果検証の比較が難しくなってしまいました。
一般的に利用者数が低下すれば、公共交通機関といえども、減便や廃止などを検討しなければなりません。ですが利用する地域の方が困ることのないように、社会のトレンドや地域のニーズに即した新しい交通の在り方を模索していく必要があると感じています。

一流の研究員として大事なことは何だと思いますか?

自分が知らないことを聞かれ、また意見を求められた場面で、瞬時に判断し打ち返せるかどうか、が大事だと思っています。
あとは提案力、学ぶことが好きかどうか、メンタルの強さ、機転を利かせられるか、といった事が挙げられると思います。

研究員としてこだわっているところ、ここは譲れない部分を教えてください

地域のためになっているか、という視点を一番大切にしています。
クライアントの要望に応えるというのもありますが、あるべき姿を考えて提案し、クライアントとすり合わせを行っています。

内定者インタビュアーの感想:

松本さんは、「地域を活かし、地域のためになることを行う」という強い信念を持って、業務に取り組んでいる方でした。様々な業務を行う中、こうした信念を抱いていることで、自分が「何をしてあげられるのか」を考えることが出来るとのことでした。また、地域の方々やクライアントの要望が異なり、事業が難航しても、「地域のために」という思いをベースに、理想と現実の折衷案を見出すことが重要であると仰っていました。物事を動かす時には、まず「思い」がなければ、十分に「考え」、納得のいく「提案」をすることが出来ないのだと学びました。
さらに、コロナ禍を受けてテレワークが導入され、仕事とプライベートの両立を、よりメリハリをつけてできるようになったと仰っていました。これを受けて、私は、業務に対して、明確な「軸=信念」がある松本さんだからこそ、ワークライフバランスの向上が可能だったのだろうと感じました。

社員インタビュー
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