谷川 夏子

「いつかはクライアントから指名される得意分野をつくりたい」
~議事録作成からはじまる、研究員としての知識と経験の蓄積~

研究員とは
クライアントに寄り添って、期待以上の成果を提供する仕事である。
環境政策研究本部
環境リスク管理チーム
谷川 夏子
2020年入社
大学院総合理工学研究科理学専攻(修士)
入社後の主要業務

1年目
水銀大気排出抑制対策調査業務(国)
2年目
同上

大学で研究していたことと、当社への志望理由は?

森林の樹木の根っこの研究をしており、地面から小さな樹木の根っこをたくさん掘り、傷つけないように洗って測定していました。環境とは言っても、当社とは少し違う分野の環境の研究でした。
大学は楽しそうなことで選択したのですが、就職にあたっては昔から社会的課題として注目していた、環境問題に対して役に立てることをやりたいと考えていました。研究員ということで、自分の働きによって直接的に環境問題に寄与できるのではないかと。

私も環境系を軸で考えていました。民間、行政の両方がありますが迷いはなかったのでしょうか?

少し迷いましたが、行政はやることが限られているイメージがあったということで民間に。他にも緑化関連の業界も少し考えていました。

入社直後の最初の仕事は?

一番はじめはデータ整理でした。コロナ禍での入社(2020年4月)だったので、先輩方とも2、3か月直接会わない状態でのスタートでした。これから使うデータをその前の段階で使いやすいように加工・整理するという作業、あと他に参照用のホームページの要点まとめなどもしました。また、条約の内容を読みながら、英語版と日本語版両方をまとめた表を成果物として作るという業務もありました。

 

2020年入社内定者インタビュアー当時の谷川さん(左)

コロナ禍での入社ということで、最初の2、3か月直接指導がなかったとのことですが不安はなかったでしょうか?

先の不安というよりは、この対応で合っているのかというその場その場での不安がありました。特に最初の3か月は仕事をしている感覚も薄く、今思えばモチベーションもだいぶ低かったですが、その分だらだらやらないようには心がけました。

最近の平均的な1日のスケジュールは?

出社日ですと、私は9時半から10時頃までに出社しています。現在ふたつの業務を抱えており、両方とも日々少しずつ進めています。朝30分くらいでメールチェックと1日の業務確認をします。例えば、午前中に単純作業系の業務を行い、午後は時間がかかる打合せ(オンラインが多いですが、ごく最近は対面も増えてきて主なクライアントである環境省に出向くこともあります)で、打合せメモを作成して帰宅するということもあります。帰宅後は、最近一人暮らしをはじめたのでご飯を作って食べています。ご飯を作ることに癒されています(笑)。他には動画を見たりして過ごして、リフレッシュして寝るという感じです。

打合せではどういうことを行うのでしょうか?

基本的にメモは全てとり、最後に議事会議メモとしてまとめられるようにしています。資料説明は2年目になってからで、打合せ全体の中の一部分の説明をまかされるようになりました。

年度末は忙しいと聞きますが?

夜はちょっと長くなります。1年目は最後の方の仕上げにはあまり関わっていなかったので、残業時間としては平均1時間くらいでした。基本的にやることはまとめる、資料を作ることが中心で、私自身のスケジュールが変わることはあまりなかったです。

2年目で、現在ひとりで進めている業務はありますか?

完全にひとりでという作業はないですが、1年目と違う点として、資料を作るときに文章の構成から考えて作成するようになりました。後で先輩に全体的に見直してもらっていますが。1年目は一部分のデータ整理のみという感じでしたが、2年目になり、より資料全体的に編集するという風に変化してきていますね。1年目よりはやることが増えていると感じています。業務の進め方として先輩に確認する時は分からない事をある程度まとめて、空いている時間をあらかじめ伺った上で時間を作ってもらうこともあります。

そのように積極的に聞ける雰囲気はあるのでしょうか?

他の部署はちょっと分からないですが、基本的に普通に分からないところは聞ける感じです。

研究員について、入社前後でギャップはありましたか?

最初のイメージが結構あいまいだったのもあって、そのままこういうものかと受け入れています。なのであまりギャップは感じなかったですね。

意外とこんなこともやるんだ、というのはありましたか?

意外という点ではないですが、その分野の勉強とクライアントとのコミュニケーションはもっとしっかりしなくてはと思っています。

ひとりでやるというよりは、交流等も重要ということですね。
今までで最もやりがいがあった業務は?

1年目から今にかけてもしっかり関わっている、工場の煙突から大気へ排出される水銀の量を把握し、削減に努める業務です。排出量の把握のために、全国自治体の施設からデータを集めて、その中で異常値がないかなどもチェックの上、集計していく作業を行っています。私はデータをまとめ、集計、資料への落とし込みと一連を担当しており、特に責任を感じている業務です。

仕事をする上で特に気を付けていることは?

データ集計作業でいえば間違いがないように、数値の確認はとても気を付けています。

1年目の自分へのアドバイスは?

勉強不足だったなと思うので、もう少し積極的に勉強すると良いと伝えたいです。これは個人的な点ですが、もう少し早い時期に出社に切り替えて、モチベーションを上げられるようにすれば良かったと思っています。

なぜ勉強不足と思ったのでしょうか?

クライアントからの質問に対して、どう答えれば良いのか分からなかったのです。今年の3月に成果物 である報告書を見て、業務をきちんと理解できていなかったというのをすごく感じました。日々の業務をこなすのみで、全体を理解しようとする努力が足りていなかったと思いました。

大学の研究で習得した技術等と現在の業務で、共通するものはありますか?

データの取り扱い方、目的の考え方は研究と通じるものがあると思います。大学の研究では地味な作業が結構多かったですが、そのような作業に対しても自分は苦ではないのは大学での経験があるからだと思っています。

今までの業務で、最も成長を感じられたのは?

議事録を書くことは成長したと思います。

議事録というのは?

打合せの内容を後で見返しても分かるようにポイントを押さえ、簡潔に文章で残すことです。このようなインタビューなどの文字起こしも含まれます。私は文章を書くことに苦手意識があったので、繰り返すことでどんどんうまくなっていっていると思っています。

(社員) 議事録はもう赤入れられないくらいにうまくなった?

今も赤ばっかりです (笑)。

(社員) 赤入れられないレベルになるというのが、新人研究員としての最初の関門ですね。

今後やってみたい業務は?

所属しているチームは複数年に渡る業務が多く、新たな業務が発生するということがあまりないのでこれをやりたいというのは特に考えたことはなかったですが、将来的には「この業務ならこの人に」と言われるくらいの得意分野を作りたいと考えています。

社風はどうでしょうか。縦、横のつながりは?

うちのチームは結構自由なイメージがあり、いい感じだと思います (笑)。横はもっと積極的に交流を持てばいいのかもしれないですが、コロナ禍を言い訳にしてあまり持てていないです。ただ、その人の行動次第でどんどん行ける雰囲気はあると思います。

内定者インタビュアーの感想:

1. 谷川さんは、環境問題に対して「自らの働きかけにより改善することで役に立ちたい」との強い思いから、出来ることが限られている行政ではなく、環境分野を業務の柱のひとつとしているエックス都市研究所を志望したとのことでした。
コロナ禍での入社の為、最初の数か月はテレワークで苦労しつつも、スケジュールを立てることでメリハリをつけて自宅での勤務に臨んでいたり、クライアントと専門的な話が出来るよう、さらに積極的な勉強が必要だと仰っていたのが印象的で、目の前の課題に対して一歩一歩着実に取り組む姿勢に、素直で前向きな谷川さんの人柄が表れていたように感じました。
また、自身のフィルターを通した会議の理解度の指標になるため、まずは会議の議事録を一人前に作成できるようになることが重要であるとのことで、一流の研究員になるための第一関門となるのだろうと入社後のイメージが出来ました。

2. 現在入社2年目の谷川さんの等身大の声は、内定者の私たちと近い距離に感じ、インタビューを通して入社後のイメージが自然と湧きました。
大学で森林関連の研究をされていた谷川さんは、環境への思いを持ってエックス都市研究所に入社されました。学生時代の研究で得たスキルは、現在研究員として重要なデータの扱い方などの面で役に立っていると実感されていました。
これまでの業務についてお尋ねすると、自分に足りていなかった部分を痛感した場面を振り返りながら、「今後は研究員としての得意分野を作っていきたい」と抱負をまっすぐに語られた谷川さんの姿勢がとても印象に残っています。その背景には、社員一人一人が自分のペースで確かな成長を重ねていく会社の社風が垣間見られました。

社員インタビュー
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